サイトマップ
日記
対談-キラキラ大島vs天空快
(2006.9.21)
この日は午後12時から渋谷でロッキングオンジャパンのインタビューを受け、少々興奮したままの雰囲気でキラキラレコードに戻り、引き続いてキラキラ大島との対談に臨んだのでした。
大島:
最近どうなのよ
天空快:
最近は、ロッキングオンジャパンのインタビューに向けて「ああ聞かれたらこう応える、そう聞かれたらこう応える」と、ロッキングオンジャパンを赤本のように、バイトから帰ったらやってましたね。
大島:
そういう日々の日記的なことじゃなくてさ、雄大な天空快の今後の展望について。
天空快:
今後の展望? うちゅうを800万枚くらい売って。
大島:
いいねえ。
天空快:
焼き肉をみんなで食べる! 奢る! 投げる! 取る! 走る!(笑)
大島:
大体さ、天空快は何で音楽をやってるの?
天空快:
何ででしょうね。今日も聞かれましたね。
大島:
俺は並大抵の答えじゃ容赦しないよ。
天空快:
うーん。
大島:
基本的に、君は音楽が好きなのか?
天空快:
好きですね。なんか音楽をやってないと自分が生きている証明が出来ないような気がしますね。
大島:
今は音楽のことをバリバリやってて、レコーディングとかプロモーションとかね、で、寝る時間もないとか。そういう時はちょっとだけ音楽を離れてみたいとか。
天空快:
それはないですね。
大島:
ないんだ。
天空快:
無いですね。(音楽をやってると)生きてる感じがしますね。
大島:
睡眠時間を削られても平気なんだ。
天空快:
眠いのは辛いは辛いですけど、嬉しいですね。
大島:
ちょっとMっぽい。
天空快:
Mっ気ですね。自分がSで自分がMみたいな。
大島:
一人ボケ突っ込みみたいな。
天空快:
そうそうそう。まあボケてはないですけどね。一人で蝋燭を垂らして、一人で熱がってるみたいな。「熱くない熱くない」ってね(笑)。
大島:
もしこの世に音楽がなかったら、いったい何をやってるんだろうね。
天空快:
音楽がこの世になかったら、マンガとか描いてるんじゃないですかね。
天空快の過去のアルバムは天空快自身の手によるイラストで、大島の「あの絵」とは、このジャケットイラストを指している。
大島:
マンガ? あの絵で?
天空快:
あの絵で!(笑)。というか、何かを作ることに興味を持った人間になっていると思います。
大島:
じゃあその中で音楽を選んでいるというのはさ、何でなんだろうね?
天空快:
ナルシストっぽくなるけど、自信があるからですね。
大島:
音楽には。マンガには自信がないんだ。
天空快:
無いですね(笑)。
大島:
無いんだ(笑)。本音出たね。
天空快:
ハイ(笑)。音楽だったら、日本の音楽のメインストリームの中に自分の曲を置いても全然負けねえぞと。
大島:
例えば、スポーツが得意な子とかはさ、幼稚園くらいの時に周りの子たちと比べてちょっと駆けっこが速かったりして、それで「自分は走るのが速いのかも」とか気付いて、先生とか親とかからも「○○ちゃん速いネー」とか言われて、自分はそっちの方面に才能があるのかなとか思う。そうやって褒められるから嬉しくなって、それでまた走っちゃうとかさ。それでクラブは野球部とか陸上部に入ってみようとかいうふうになっていくわけじゃん。
天空快:
うんうん。
大島:
それに似たような経験で、ああ、俺音楽が得意だなとか思ったことはあるのかな?
天空快:
ありますね。(大学卒業後)カシオで働いていて、休みの日だけ音楽をやってて、デモテープを作ってたわけですよ。それを試しにぴあの音楽プロジェクトというサイトがあって、デモテープが受かって、編集部から電話があって、それが「ウォーキング猫」と「プラネタリウム」が入ったデモテープだったんですけれど、特に「ウォーキング猫」がいいから、サイトの方でピックアップさせていただけませんかということになって、で、ライブも見に来てくれるということになって、ライブ審査では落ちたんですけれど(笑)、その頃アピアとかでやってて、その頃は1人でやっているスタイルと音源のスタイルがまったく違っていたんです。最近だいぶん近くなってきたと思うんですけれど、昔は全然違ってて。そのオーディションからアナログフィッシュとかがドーンと出ていったんですけれど、僕の前の月のピックアップがアナログフィッシュだったんですけれど。当時は中途半端に仕事をやって音楽もやっていたんだと思います。もし本腰を入れたら結構いけるんじゃないかと、その時に思って。その時から天空快は本気で音楽をやるようになりましたね。
大島:
それって社会人になってからの話じゃない。その時点でギターも結構弾けて、練習もそれなりにやってたんだろうと思うけれど、幼稚園児が走るの速くて褒められたとか、その辺の原初体験とかさ、例えばみんなとカラオケに行ったら友達より歌が上手かったとか、音楽の授業の時に褒められたとか、ギターが弾きたくなったきっかけとか、そんなのはないの?
天空快:
うーん、それ(ぴあ)まではそんなのは特にないですね。
大島:
最初にギターを持ったのはいつくらい?
天空快:
16歳です。
大島:
その時は何でギターを手にしたわけ?
天空快:
BOOWYのコピーバンドをしたんですね。
大島:
BOOWYか!
天空快:
BOOWYです。
大島:
ノーニューヨーク!
天空快:
ノーニューヨーク。クラウディーハートを革ジャンで、金髪で!
大島:
金髪だったの?
天空快:
金髪! のスプレーで(笑)。生えぎわも金色になってしまうという(笑)。
大島:
(笑)
天空快:
その時2つバンドをやってて、高校の軽音楽部のバンドと、友達とやってたバンド、外バンみたいにやってて。その外バンでBOOWYのコピーやってて、高校の軽音楽部のバンドでユニコーンのコピーバンドをやってて。で、高校の方ではボーカルをやってて、外バンではギターをやってて、外バンの方は1回のライブで終わっちゃったんですけれど、軽音の方ではちょくちょくやってましたね。
大島:
話はまた全然変わるんだけれども、今の天空快の活動、音楽をどう広げていこうかとか、音楽に対する取り組み方とか、そういうのが、初めてキラキラと出会った時と比べて全然違ってるなと思うんだけれど、それは何か自分の中で感じていることとか、あの当時と今とではここが違っているよなとか、そういうことは何かあったりしますか?
天空快:
特には、実はないんですね。その、ずっと必死でやってきて、学んだこととか、失敗して気付いたこととか、それを吸収してきて今があるわけで、昔からちょっとでも良くなろうとは思ってきていますね。
大島:
僕なんかから見てると、昔は及び腰というかさ、何かひとつの理想を追い求めてて。理想を求めるのはもちろんなんだけれど、そちらに向かっていることがハッキリしないと進んでいかないというか、立ち止まって悩むという感じだったのが、今は、本当にそっちに向かって進んでいるのか分からないんだけれど、でもなんか、行くゾーみたいな。60%くらい向かっているんだったらとりあえず行くぞみたいな。そういう勢いを感じるんだけれど。そういうのは自分では感じてない?
天空快:
そうですね。でも理想とかはやっぱりあって、理想の音楽をやりたいというのはあるんですけれど、それをやれる自分になるためには、今やらなきゃいけないことというのが、少しずつ判ってきたかなというのがあるのかもしれないですね。昔は何をやるべきかとか、何が大切かということの比重が分からなかったんですけれど、そういうのがだんだん分かってきたというだけで、芯にある姿勢、少しずつでも良くなってプロを目指していくんだという姿勢は変わってないつもりですね。まあその姿勢だったからこそ変われたのかもしれないんですけれどもね。まあそんなに変わったと言えるほどでもないですけれど。
大島:
例えばこんかの「うちゅう」の中で、このアルバムを作るんだと決まったタイミングからそんなに時間があったわけでもないし、ツアーもやるということだったし、だからレコーディングが出来ないという時期が3週間近くあったし、だからその後からじゃ間に合わないからということで、曲も出来てないのに、宣伝用の資料を作るためには曲順が出来てないとマズイという話もあったじゃない。
天空快:
はい。
大島:
だからとりあえず曲のタイトルだけでも決めて、ツアー回っている間にその曲を作ってくれみたいなことがあって。それがアーチスト的な立場からすると「そんな無茶な」みたいなことを、こっちも十分理解しながらも要求するようなことがあって、まあそれが一番象徴的なことだったんだけれど、ビジネス的な事情にアーチスト的な事情を合わせるというような局面が、今回はそれだけじゃなくていくつもあったとは思うのね。多分2年半前に最初にキラキラと出会った頃には、「そんなことはできません」と言っていたんじゃないかなと、僕は思うのね。そうじゃないかな?
天空快:
それはそうかもしれないです。その頃と今とで違うのは、自信がついたんでしょうね、多分。
大島:
自信がついた?
天空快:
そういう課題を出されても、こなせるんだという自信があるからOKを出したんだと思うんです、多分。
大島:
なるほど。
天空快:
昔はOKしなかったかもというのは、それだけの自信がなかったんでしょうね。こなせないんじゃないかなという。そういうのはあります。で、商業的なって言われたんだけれど、タイトルは自分に決めさせてくれたので。自分のイメージにある曲を作ることは出来る。これがタイトルも勝手に決められて、こんな曲調でこういうCM用だから、よろしくねって言われたら、「それはちょっと」っていったかもしれないんですけれど、タイトルも決めさせてくれて、曲調もノータッチでやらせてくれたんで、逆に面白いぞと。自分でテーマを決めて、そこから音楽を作るということになったら、そういう時こそ自分の音楽の力量が試されるというか、自分の中にあるものをただ出すんじゃなくて、自分で事前に決めたテーマに対して自分の音楽のスキルを使って、作っていくというのはやっぱり、音楽的に力がないと出来ないと思うから、そういうのをやってやるぞというのがあったし。で、「落下する世界」も結構自分の中では大好きな曲が出来たんで、大満足してます。そういう勉強にもなったんで、感謝してます。
大島:
例えば今後売れてきて、車のCMソングを作らないかという話が来たりすると、その車のコンセプトはこうで、キャッチコピーはこうだから、それにあったテイストの曲を書いてくださいというようなことが出てこないとも限らないじゃない。
天空快:
ハイ。
大島:
そうなると今回のキャッチコピーに合わせてタイトルもこういう曲でお願いしますという話になったら、それはまずいのかな?
天空快:
いや、それは作ると思います。
大島:
作るんだ(笑)!
天空快:
アルバムの中の1曲でそれというのは、自分のテリトリーの中に商業的なものが入ってくるということなので、ちょっと心に傷も付きますけれど、その仕事は仕事で別に動けるのなら、全然やってみたいと思いますけれど。面白いと思うし。まあ天空快は車も運転出来ないんですけど、それで良ければ(笑)。
大島:
例えば、うちには沢山デモテープなんかが送られてくるんだけれど、今うちが天空快を売り出ししてるということもあって、彼らからすると、キラキラでやるんだったら天空快みたいな状況になって、それを乗り越えていかないとというものを目指しているような人も沢山いると思うのね。そうするとそういう人たちがさ、もちろん自信満々で「オレがオレが」みたいな人もいるんだけれど、例えばじゃあライブに出ませんかという話になった時に、デモテープを送ってきててこの音でどうですかというチャレンジをしてきているはずなのに、もうちょっと自信を持ってみせられるライブを出来るようになってからライブをしたいので、4ヶ月後くらいの出演でお願いしますみたいなことだったりするのね。そういうのって一体なんなんだろうって、僕は思うのね。
天空快:
はい。
大島:
つまりさ、今見せたいんじゃないのかと。今の自分で勝負したいんじゃないのかと。出来ると思ってるから送ってきてるんじゃないのかと。僕はそう思うんだけれど、みんなは「もっとイイのが出来る、もっとイイのが出来る」って。完璧なものを目指すのはいいんだけれど、何事も締切があってのことだと思うのよ。今回の「うちゅう」にしても締切というものはガッチリあったわけじゃない。ここまでにこれをやっておかないと手遅れになってしまうというものが大体見えてたし。それに比べて、普段ライブをやっているというのに、それにデモテープを送ってきてて「どうですか」って言ってるのに、ライブは4ヶ月後じゃないととか言っているバンドって、どうなんだろうね。今の天空快からみると。
天空快:
いや、全然否定はしないッスよ。いろんな音楽の在り方があるから、どれくらいの意識で音楽をやっているのかということなんだろうと思うんですけれど、4ヶ月後でもいいよっていってくれるレーベルとやればいいと思うんです。キラキラは大島さんのレーベルだから、大島さんの「見せたいならすぐ見せろよ、やる気があるならすぐ見せろよ」ということでバンッと対応出来るバンドはキラキラでやればいいと思うし。それを良い悪いとは言いませんけれども、合う合わないはあるかもしれませんね。
大島:
いや、僕も早く見せろといってるんじゃなくて、時間が掛かるなら掛かるでそれはいいし、天空快にしても最初から今みたいにドーンと売り出せる状況にあったかというとなかったわけだし、今だってまだまだ足りない部分はいっぱいあるわけだし。徐々に良くなって、3枚目にしてようやくこういう状況になったわけだし。もしそれが前倒し出来るのであれば、前倒し出来ればそれに超したことはないじゃん。
天空快:
そうですね。
大島:
デビューアルバムからドーンと展開出来るようになっていればそれが一番いいんだけれど、でも、それはなかなかそうはならない。天空快も最初に出会ってからもう2年半くらいなるよね。その2年半を何とか1年半に短縮出来ればという気持ちは強いのよ。
天空快:
はい。
大島:
アーチストってやはり生き物だから、特に若いバンドなんかだったら若いうちに結果を出して、白黒ハッキリさせたいっていう気持ちはあるだろうし。つまりモノになるのかどうかという白黒がハッキリついてから、そこからの活動期間がどのくらいあるのかということを考えると、やはり早いに超したことはないわけよ。だとすると、そのひとつひとつのプロセスをどう短縮していけるのか。つまり、4ヶ月掛かるところを3ヶ月に出来れば絶対に良いわけだし、2ヶ月で出来るのならもっと良い。明日ライブの枠があるんだけれどという時に、じゃあやりますという方がね。別に僕がじれったいとか、お前なんかクズだとかいうことではなくて、むしろ、もったいないなと。そこで4ヶ月という躊躇の仕方をしていると、同じような気持ちでやると、じゃあアルバムを出すか、レコーディングをするかという話になった時に、じゃあレコーディングを1ヶ月で上げてきますというのと、それともまた一から曲の吟味をして、じっくりやりたいから半年以上掛かりますと。そのどっちになるかというと、おそらく半年以上掛かるという選択になるんだろうと思うのね。だったら、ライブをすぐにやりますというバンドであればアルバムまで3〜4ヶ月で形つけられるところを、じっくりじっくりとか言ってるとすぐに1年とか経ってしまう。で、本当はそこが勝負じゃないじゃない。インディーズのファーストアルバムで完全に勝負かというとそれは違うと思うし、その次、またその次というところでどれだけ目立てるのかということを考えると、やっぱりそこの最初のところでの悩み方。つまりそこで悩んでどれだけの差が出来るのかということ、掛かる時間の差ほどの差が出来るとは思えないのね。だからそれがもったいないんだよということに気付いてもらえるまでに果たしてどれだけの時間が掛かるのかと。というところなんかが、今の天空快の、僕なんかが感じている2年半前の、初めてデモテープを送ってもらって、オムニバスをやるかという話をした時の状況と今の状況との違いだろうと思うんだよね。それはさっき自信がついたからだという話だったけれど、じゃああの時なかった自信が今はあるようになってきたというところの間に、何があったのか、何が違ってきたのか。何を体験したからその自信を持てるようになったのかということ。その辺ってどうなんだろうね。
天空快:
やっぱりそれってあれですよね。いろんなライブとかやって、路上とかもやって、本当にイイよって心から言ってくれる人の言葉が本当に伝わってきて。で、いろんなところでライブをやって、去年キラキラでツアーをやらせてもらって、例えばお客さんが1人しかいない会場でCDが2枚売れたとか、スタッフの人が買ってくれたり。どんな状況でも買ってくれるんだと。で、お金がない学生とかも、友達からお金を借りて買ってくれたり、女の子でお母さんを呼んできてお金をもらって買ってくれたりして、ああ、お金とか、金額とかじゃないんだなって思って。CDが安くなるって現象があるじゃないですか。でもイイって思ったら自分も値段とか見ないで買うし。そういうところの自信もつきました。ツアーで神戸のスタッフさんが感動して泣いてくれたり。そういうのもあるんで、こう、そこらへんの、自分の音楽に対する自信。やっぱり制作期間が短ければ短いほど、練習期間が短ければ短いほど、まあ短いよりも長い方が楽でいいとは思うんですけれど、作ってる立場としては。でも長くやることによって下がるモチベーションというものも、自分にも関係している相手にもあったりするわけで。今はまだうだつの上がらない時期だから、宣伝もバンバン間髪を置かずにやっていかないといけないというのがあるわけで、やはり止まってはいけないというのもあると思うんですよ。そういうのも判ってきたということもあるんですよ。そうですね、結局はその、いくら練習してなくても、例えばライブなら気持ち、気持ちが50%くらい、それ以上を占めると思うんですよ。すごい下手なコピーバンドでも、すごく一生懸命やってたら見ちゃうと思うんですよ。逆にすごい上手くても、手を抜いてへらへらってやってて、構成を間違えちゃうようなバンドだったら、なんか見る気がしないなって気になっちゃうし。だからライブに関していえば、そういう気持ちにその時になればいいわけだし。練習でも仕事で時間がなくても、オールナイトで連日連夜練習すればいいわけだし。だから本気でそのライブにかけているんであれば、その他の仕事なんかを辞めて練習に明け暮れればいいわけで、お金がないんだったら借金するとかもあるし、いくらでも方法ってあるわけですよ。本気であればね。で、それをいろいろと理由をつけて先延ばしにしているようだったら、結局は先延ばしにしているくらいの価値なのかなと。やはりそのへんでぶつかっていけるところはぶつかっていって、ぶつかっていって結果が出なかったら自分に実力が足りなかったんだって反省すればいいし。あとチャンスっていうのは自分がおびき寄せられるものじゃなくて、まあ自分の努力で探していかないといけないですけれど、一生に一度しかないチャンスってものもあるわけじゃないですか。だから行けるところは行きたいなと。出来るチャンスは全部挑戦していきたいなというのはありますね。
大島:
チャンスとリスクというものを考えていく時に、僕が最近いろんなバンドに言うのは、もちろんいろんなところで、まだ売れていない頃の音楽活動にはお金がかかることもあるじゃないすか。例えば雑誌に広告を打ったりすることもお金掛かるんだけれど、そういうことじゃなくてもライブでお客さんが入らなかったらチケットノルマでお金がかかったりするし、ツアーに行くにもギャラが出るわけじゃないから移動とかは全部自腹だったりするし。ましてやライブをする日は1日仕事を休むわけだから、あるべき収入が減るということもあるし。そうやっていろんなところにお金がかかるというのも事実なんだけれども、じゃあ、そういうのがひとつのリスクだと思うんだけれど、リスクを背負っていったい何を買うのかと。お金を払っているのだから、そのお金で何を買っているのかというと、それはやはり自分の将来の夢なんじゃないかと思うんだけれど、じゃあそれがどのくらいの金銭的リスクなのかということを冷静に考えた時に、普通のサラリーマンの人が車を買いましたということと比較してみたいのね。普通にファミリー向けのワンボックスカーを買いました。それに300万円くらい出しましたと。それは割と普通に世の中にある話だよね。その300万円の車を買って一体何が得られるのかというと、別にそれを買って何かお金を得られるかというとそういうことはない。個人が休日のレジャーで楽しみに使うんだということだとすると、走れば走るだけガソリンとかのランニングコストもかかるわけだし。そういうもののために最初の300万のお金をローン組んで払ったとしても惜しくないと思っている人が世の中にはゴマンといる。それに比べてミュージシャンたちが俺たち真剣です、一生懸命やってますというように言っている割には、例えばカローラ1台程度の金額であっても出したくないんですってことをよく言う。別にお金を出せと言っている訳じゃないよ。オレのために金を出して貢いでくれっていってるんじゃなくて、自分たちの夢を現実にするためだったら、そこにリスクが多少発生したところで、それがなんなんだろうかと。例えば僕がミュージシャンたちに「デビューしたいんだったら今ここで1億円耳を揃えて用意しろ」とか言われるんだったら、それは無理ですって言ってもいいと思うんだけれど、ビデオカメラを1台買うとか、車1台買うとか、普通の人がレジャーのためにやっている程度のリスクを嫌がるようなバンドがいたとすると、ああ、この人が口にしている「真剣」っていうのはその程度のことなのかって思うことがよくあるんだけれども。
天空快:
そうですね。
大島:
やっぱりそう思う?
天空快:
あとは、やっぱり自信がないんだと思います。その300万のカローラっていうのは、300万っていう一般に決まった金額で、それを払えばカローラに乗れるということは100%保証されているわけですよ。でもバンドに300万円を投資して、それで300万に相当する見返りが得られるかというと、その自信がないから賭けられないんだと思うから、そういうバンドはやめていいんじゃないですかね。僕はリスクを負っても日本に通用するっていう、別にナルシストじゃないですけれども、本当に自信があるんですよ。メジャーシーンなんかを見ても、オレの方がイイなって本当に思うから、必要なお金をかければ普通に行くんじゃないかなって思うんでね、やってるんですけれどもね。
大島:
そうなんだよね。やっぱり自分に自信が持てない。CD出しても何百枚売れるかわからないから、リスクを背負いたくないっていうのをよく聞くんだけれども、僕は、自分がリスクを背負えないくらいの音楽を、たとえ2000円3000円程度であっても、CDやチケットを友達に買ってもらうわけじゃない。そうすると自分が車を買う程度のリスクも負えない程度の自信の無さ。もしもCDで赤字が出たりとか、ツアーの旅費を借金してたとかしたのが、もうダメだって、売れないって結論つけた時にも、それは自分が後で責任取ればいい話だけれども、お客さんのことを考えたら、最初の1枚をお金を取って売るのかどうかという問題があって、その人たちは少なくともそれを買わなければ他のCDを買うことが出来たわけで、それなのにメジャーで売れてるようなものを買わずにあなたたちのCDを買いますよって言ってくれてるんじゃない。ということはその人たちにとって、メジャーのCDなんかと比べても同じくらいの、というかむしろそれ以上の価値があるよと。サザンとかB'zとかのCDを買わずにあなた達のCDを買うよって人たちに対してさ、いやあ申し訳ない、俺たちのCDなんてサザンのCDの10分の1くらいの価値しかないのに買ってくれて悪いなって、思うくらいだったら最初の1枚から売ってはいけないと俺は思うのよ。
天空快:
そうですね。
大島:
つまり、お客さんに対して失礼というかね。だけどみんな、売れなかったらどうしようっていうときに、自分の懐具合のことはすごく気にするくせに、お客さんに対してそんなしょうもないものを買わせてしまったという申し訳なさに考えが至るという人は殆どいなくて。それじゃダメだろうと。それはつまり、よくキラキラにも「僕たちの音楽をサポートして欲しい、援助して欲しい」と、デモテープのプロフィールに書いてあったりするんだけれども、サポートをして欲しいんだったら、サポートをするに値するだけの音楽であるべきだし、それに対する自分たちの絶対的な自信を持っておくべきだとおもうし。それとかキラキラによく意見を求めて、「自分たちの音楽はどうですか」っていう時に、もしその時にオレが「お前の音楽なんてダメだよ」って断言したとしたら、ああ、大島さんの言うことは全面的に信頼しているから、そう言われるんだったらすっぱりと音楽を辞めますっていうつもりなんだったら、それはズバリと言うけど、そうじゃないわけじゃん、みんな。
天空快:
うん。
大島:
俺からダメだとか言われたところでそんなことはないって思うからやってるわけだし、現時点でメジャーがイイって言ってくれてなくても、インディーズでいろいろなリスクも背負ってやってるんだろうし、バンドって本来そうあるべきで、僕がインディーズを始めた10数年前にはインディーズなんてほとんどなくて、メジャーに認められなければ作品を世に出すなんてことはまず不可能だったという時代がずっとあったから、それに比べれば、自分で頑張ろうって思えばいくらでもやれるような時代になってきたから、そういった意味で言えば20年時代が違っていれば天空快の音楽も世に出ていない可能性も十分にあるのに、今は幸いにしてこうして出ているわけじゃん。だからそういうところでもちょっと頑張って努力すればいいことなのに、その努力をするパワーも自分の中にないみたいな、そういうのを見るとすごくもどかしくて。それにもいろいろな程度があって。例えば100%のライブなんて未来永劫ないと思うのよ。天空快にしたって今の力が100だとすると、明日は105になりたいって思うわけでしょ。そしてその次にはまた110になりたいというのがあるから成長するわけで、だから半年前のライブの映像を見る機会があったら、ああ、あの頃の自分はこの程度のことしかやれてなかったんだって反省する。もしそれがなかったら、反省ないところに成長もないわけだから、今日のライブを見た人は、次はもう見なくてもいいっていう話になる。だから、話がどんどんまとまらなくなってきたけれども。
天空快:
いやいや。
大島:
やっぱり今こうして一緒に頑張ろうって思ってやっていけているのは、やはり特に去年一年くらいのところで、ああ、天空快はちょっと吹っ切れたかなというところがあって、数字的な結果はまだまだ全然出てないんだけれども、吹っ切れて前向きになっていく、その向き方、それが変わったなという気がしたのね。でも本人にはそういうところはないんだ?
天空快:
そうですね、うーん。そこはまあ、事務所契約でやってみないかって言ってくれたところが、まだ結果も出してない時点で言ってくれたじゃないですか。利益もね。まだね。それはまあ、大島さんも相当のリスクを背負っていってくれてるんだなあというのが判ったんで。こんな自分の音楽にかけてくれるという人と一緒に仕事をしないで、やっていける機会はなかなかないぞと思ったというのはありますね。そういうのを感じたから、信用して、僕は大島さんを信用して、企画とか締切にもぶつかっていってというのもありますね。信用するのは、やはり自分の曲を大島さんが認めてくれてるっていう、そこの信頼ですね。そこが、以前よりも話がスムーズに行くというところだと思いますね。
大島:
しかしあれだよね。認めてくれたということになった以降の方がさ、どんどんダメ出しが出るようになってるけどね(笑)。
天空快:
まあ、そのダメ出しは、大島さんもリスクを負ってるから、自分に対するダメ出しでもあるっていうのは、その、一丸となってるじゃないですか。一丸となっている中心でもある作品にダメ出しをするというのは、自分を良くしたいということでもあると思うので、チームというか、そうですね、一方方向に感じてないんですよ。自分が言われたから落ちたということじゃなくて、一緒のチームを組んで、その中で天空快というものを眺めて、どうするこうするっていうのを、これはダメだねとか、じゃあ自分も客観的にこれはこうした方がいいとか、上手くしていこうとか、そういう共同作業をすることが出来る。天空快はソロとしてやっているけれども、天野ッチ(現在の天空快でドラムを叩いてくれるサポートメンバー)とか大島さんやジョンさん(キラキラレコード宣伝スタッフ)とか、いろんな人の人生にも影響してくると思うし、もう一人だけのものじゃないという思いにもうずいぶん前からなっていて、その人たちの大切な時間とか大切なものとかをこれに賭けてて、そこで僕がエゴを言おうとは思わないし、みんなでチームで成功して、みんなで幸せになりたいって、なんか綺麗事みたいですけれど(笑)。そうやって成功した上で、最初に持っていた理想とか、いうものをやるのも良し、またこういう活動を続けるのも良しと思うんですよ。結果を出すまでは頑張りたいと思うんですよ。
大島:
結果はいつ頃出ますかね?
天空快:
うーん、年内に。
大島:
年内に!
天空快:
年内に。
大島:
いいねえ。期待したいねえ。
天空快:
リアルなところじゃないですか。
大島:
なんか今回「うちゅう」を聴いてみようかなという程度の状況になっている人に対して何かメッセージとかありますか。
天空快:
これはキラキラのホームページに載るんですよね。
大島:
そう。
天空快:
リスナーの人でキラキラのホームページを覗く人は、相当耳が肥えていて、他にイイ音楽はないかなあと探しているような人だと思うんですけれど、そういう人こそ聴いて欲しいですね。メインストリームで流れているような雰囲気ではない、新しい、ではないですけれど、みんなが聴きたいと思っているようなものを僕は作っていると思うし、僕もリスナーとしてはこういうものを聴きたいし、これが聴きたいけれど聴けないという人も一杯いるはずだと思うんですよね。そういう人のツボにはまるような作品が出来たと思うし、そしてこのアルバムを聴いて、(ロッキングオン)ジャパンでも言ったんですけれど、これを聴いて身体が軽くなって、今まで見えなかった風景とかが見えるようになって、自然の風なんかを感じられるようになって、その高さから自分を見下ろした時に、なんか悩んでいるようなことがあったら、そんなの気にするなよ、ここは地球だよと言えるような軽さ。いい意味での気持ちの軽さになれるようなアルバムになってくれたら最高だなと。皆さんのうちゅうを、皆さんの中にあるうちゅうというものがあると思うんですよ。そのうちゅうを、日々の毎日の生活の中で、常識とかでがんじがらめにもしされていたら、ちょっと解放していただけたら嬉しいなと思います。是非、聴いてみていただけたらいかがでしょうか。
大島:
例えばそのメインストリームの中にない音を出したいということだと思うんだけれども、そういうメインストリームの音っていうのはマーケティングをしっかりされていたりとか、要するに最大公約数に受けるようなものを作っていると思うのね。だからこそそこにはまらない人というのが一杯いて、そういう人はオレンジレンジとかサザンとかいうものでは、それはそれでそれなりにいいんだけれども、それに100%の満足は得られていないんだと思うのよ。そうすると中心に最大公約数の人がいて、そこから右側に外れている人もいれば、左側に外れている人もいる。別に政治的な意味じゃなくてね。そうするともしかすると右側の人に対しては天空快の音楽はストライクになるかもしれないけれど、左側に外れている人に対してはもう全然外れてしまうこともあるということなのかな。
天空快:
いや、誰の心にもあることを歌ったつもりなので、そういうようになるように、誰もが一度は思ったことがあるようなことを意識して言葉を選んでいるつもりなんですよ。なので小学生が聴いても分かるし、どんな、ヤクザでもふと思い出す瞬間があるような曲になっているはずです。
大島:
僕なんかが冷静に考えて、天空快という名前のイメージもあるし、やっている歌のちょっと変わった世界観があったりするというのを考えると、一種その、なんというのかな、とんがった感じの、新しいものを探しているという人がメインのターゲットなのかなと思っていた時期もあったし、今もその傾向というのは僕の中でも強いし。で、例えて言うならば、買い物をする時にドンキホーテに行くんじゃなくてビレッジバンガードに行くみたいな。もっと明確にいうならば買い物といえばジャスコというよりはビレッジバンガードに行くみたいな。CDを買うならタワレコじゃなくて西新宿のレコード屋に行くみたいな。芝居を見に行くんだったら劇団四季じゃなくて下北あたりの小さな小劇場で無名の演劇集団を敢えて選ぶような人。そういう人に天空快の音は素直に受け取られるのかなというような気持ちが(以前は)ちょっとはあったんだけれど、でもそれは、なんていうのかな、例えば僕らなんかが、音楽の世界や演劇の世界は知っているから、そういう細かいところにも良いものがあるんだということも思うんだけれども、例えば今まで一度もお寺巡りなんかしたことがない人がいきなり京都を旅行することになったから、3つお寺を見に行けといわれた時に、やっぱり金閣寺とか清水寺なんかの有名どころを見に行っちゃって、小さなあまり有名ではないお寺はやっぱり行かないじゃない。だから金閣寺に行ったことがあるという人は多いんだけれども、小さなお寺に行ったことがある人は少なかったりするだけで、でも実は小さなところの中にでも、小さいけれども実にわびさびの利いた素晴らしい庭があったりだとか、ということなんだろうと思うのね。だから今そういう話をして思ったのは、つまり小さくて有名じゃないお寺だからダメなんじゃなくて、たまたまそこに来るための道筋とか、ガイドブックに割かれている面積とかが小さいだけの話で、1回もお寺に行ったことがない人が、今日1軒だけお寺に来て、その人でも満足出来るようなポテンシャルを、無名だけれども持っていると。で一方で、無名だし、そういうポテンシャルも持っていない本当にさびれたお寺もあると思うのね。だからそのいったお寺が、本当にさびれたダメ寺なのか、小さいけれども素晴らしいわびさびのあるお寺なのか、そのリスクが、知らない人からするとそのリスクを冒してまで無名のところに行くよりは、誰もが知っている金閣寺に行けというような、そんな感じになっちゃっていると思うんだよね。
天空快:
そうですね。
大島:
そういう中で、なんだろう。天空快の音楽はまだまだ金閣寺レベルにはなりきれていないけれど、金閣寺とかにあるクオリティとかポテンシャルを持ってはいるんだけれども、まだそれほど知られていないということなのかな。もしかすると。つまり金閣寺なんかには飽き足らなくて、そういうところに行っても修学旅行生とかが一杯いて、売店なんかもいっぱいあって、そういうメジャーなところにはもう飽きたと。誰も知らない変わったものを知りたいんだというような人は却ってそういう小さなところをリスクを冒しても行くだろうし。それはラーメン屋さんなんかでもね、行列が出来ているんだったらみんな美味いって言ってるはずだろうから、美味いに違いないって思って行列に並ぶ人もいれば、行列にもなっていないけれどもとても美味しい、誰も知らない穴場の店を俺は知ってるんだぜというような人が探してくるような、美味いんだけれど評判にはなっていないような店を求めているような人が。まあビジネス的にはそういう人じゃないとわざわざ探してきたりはしないんだろうけれど、でもそうじゃなくて、一般の人であっても、そんなに音楽体験が豊富でもなくても、聴きさえすれば判ると。いうことなのかね。
天空快:
そうです。僕は金閣寺を超えている作品を作っていると思っているわけです。だから、金閣寺が好きな人もよし、マニアックが好きな人もよし。寺なんかまったく知らない人が見てもよし。という自信はありますね。その、ツアーでCDが売れる感じも、グランジ系のお兄さんから、クラブ系の人から、耳の肥えたスタッフの人から、髪の金色なキャピキャピの女の子にも受けるし、僕みたいな浪人生風の人にも買ってもらえてるんで、本当にこの手の客層だったら当たるよねとか外れるよねとかいうのが、今までの経験上は無いので。それはもう100を超えるライブの中でつかんできたと思うので。
大島:
じゃああれだね。ガイドブックの何ページ目に載るのかとか。
天空快:
だと思うんですけれどね。
大島:
太文字なのかそうじゃないのかとか、写真がついてるのかついてないのかとか、カラーページか白黒ページかとか、そういうことなんだろうな。
天空快:
やればやるほどなんか自信がついて来ちゃってるので。
大島:
そういう意味では、今日の(ロッキングオン)ジャパンとかでイイ記事が載って、興味を持ってくれる人が増えれば、だいぶん状況は変わってくるということなのかね。
天空快:
そうだと思います。
大島:
やっぱりあれなんだよね。うちが毎月チラシを25000枚全国に配ったりしてるけど、数は25000枚だし。それだってないよりは全然いいんだけれど、ライブハウスにポスターを貼って、何人くらいが見てくれるかという計算にしても、それなりの枚数があるとはいえ、ジャパンが公称25万部といっている数には負けちゃうし。
天空快:
負けるけど、ポスターをみたっていう人は結構多いッスね、今回は。ジョンさんが送ってくれたヤツ。それからキラキラのニュースを手に入れたよって言ってくれる人も結構いたし、知らないところでもいてくれるはずなので、キラキラニュースで知ったという人もいるから。
大島:
あれは結構侮れないんだ。
天空快:
ポイントを絞って、ライブハウスとかスタジオに向けてやってくれているので。それに昔言われたことなんですけれども、ポスターってずっと宣伝してくれているんで。自分が寝てる間でも。だからそういう基本的かつ効果のあることをやるっていうのは大きいです。
大島:
今回ジャパンにインタビューが載った時、天空快という文字を読者が見て、もちろん初めての人も見るだろうし、そもそもなんて読むんだろうかっていう人もいると思うんだけれども、あ、これチラシかなんかで見たっていう人も結構いるはずなんだよね。
天空快:
そうですね。ジャングルライフもやりましたしね。
大島:
それぞれのことをひとつひとつやって、それで終わりっていうことだと伝わっていかないけれども、やはりこれまでのああいう活動があったから、今回のジャパンでちょっとリスクを背負ってやったとしても、それが2倍になり3倍になって、5倍にもなるということはあるよね。
天空快:
やっぱり(ロッキングオン)ジャパンのチェックイットのコーナーを読んでも、名前がある人のところで止まりますよね。記憶にあるものが。
大島:
なんかの時にちょっとだけみた名前があると、こいつらここまで来てたんだとか、知らないのは俺だけだったんだとか、そういうのはあると思うよね。不思議なのは、例えば大正九年なんかにしても、キラキラでやっていたのは2001年とかそういう頃なんだよね、メジャーでやったのも2003年くらいで終わっているのかな。そこからの露出というのは無いのよ。基本的には。
●大正九年:キラキラレコードでインディーズでビューし、2002年にvapよりメジャーデビュー。活動期間の短さの割にテクノポップの世界ではカリスマ的な人気を誇る。
天空快:
もったいないですね。
大島:
でも、いまだに毎月必ず売れるから。今なにかのメディアに出ているというのはないのよ。今新しく誰かが大正九年を知るために戦略的にやっていることというのは全くないのに。
天空快:
口コミなんでしょうね。
大島:
口コミなんだろうね。この間からアマゾンで販売をやるようになったんだけれど、大正九年とかドックオブベイなんかは売れるんだよ。まあドックオブベイは今サンボマスターが活躍しているから当然かもしれないけれど、大正九年みたいにメジャーでやった時に爆発的には売れなかったにもかかわらず、そして活動が停止してずいぶん経つにもかかわらず、毎月コンスタントに売れるというのはパワーがあるなと思うし、一旦ある程度のポジションに到達すれば、こちらの意図とは関係ないところで情報というのは回り始めるんだなということを僕は体験で知っているので、一瞬で投資をどうやって回収していけるのかという問題と、その後に繰り返し仕掛けていくことによって、ある一定の線にまで辿り着くことが出来るのかという問題。だから天空快にもある一定の線にまでは絶対に行ってもらいたいし、そうなりさえすればその後はメジャーに行って活躍してもらって、もし期待通りの活躍が出来なかったとしても、現在の投資が長い時間をかけて回収するということは出来ないことではないんじゃないかなという気もするし。
天空快:
死ぬまでやり続けますから。心配は要りません!
大島:
だから今回の投資にしても、前段階の準備があるから、無駄じゃないなという気がすごくするし。逆に言えば最初の「KEMONO CRATCH」のときはポーンとそれだけ出して、それを回収出来るのかというリスクだし、そのリスクは当時はとても担保出来るわけもなかったんだけれど、今はどっちかというと、宣伝出来る機会を逃したら惜しいという感覚なのね。例えば今回、まだ言ってないけれど、今回のうちゅうを出した後は、また春先くらいにはなにかのリリースをしていかなければいけないと思っているし、そのタイミングでまた宣伝をするということはやっていかなければいけないと思うし。そのための曲をまた作っておけという指令は出ると思うし。
天空快:
今出たようなもんです。
大島:
まあね。要するに、騒ぐ機会。騒ぐネタを作るためにCDを出すと。そうやって騒げば騒ぐほど過去のものも売れると。
天空快:
なるほどね。
大島:
そういうふうにつながっていけばいいと思うし、そのためにはね、資金も要るし、それを稼ぐだけの背景も絶対に無ければいけないから、そこは手売りも含めて、ガッツリやるしかないと。いうことだよな。
天空快:
そこで、よくメジャーの売り出しの人なんかは一時期にバンバンやるじゃないですか。それで最初はよかったのに、3枚目4枚目は良くないという、ハズレのアルバムとかがあるミュージシャンなんかもいると思いますが、それは失敗したくないですね。締切なんかに負けてヘンな曲とか、妥協するとかいうのはしたくないんで。ファーストとかセカンドには自信があるんですよ。だから後から旧譜で売れて、良かったですよって言われても、そうでしょうって言えるんですけれど、「うちゅう」に関しても、これからずっとやってく上で、締切にいくら追われても、出たとこ勝負ではなくて、全力でやってきたし、これからもやっていきたいです。
2006 (c) by KIRAKIRA RECORD Inc. all rights reserved.