| 解説 |
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松尾一志の3枚目のアルバム。前作『Life』から約1年と少しが経過し、松尾一志はまたひとつパワーアップして帰ってきた。彼のこの間の活動としては、全国ツアーの敢行、初のワンマンライブの成功、そしてキラキラレコード主催イベント「俺フェス」で渋谷0-Westのステージに立つなど、これまでとは一変したと言ってもいいほどのアクティブかつ大規模なものだった。
しかし、本当の意味で彼の活動が大きく変わったのは、ストリート活動だ。それまでは「やってみたい」と言いながらもなかなか出足が鈍ったストリート。理想的な場所がないとか、生声では聴いてもらえないとか、警察に捕まったりするかもしれないとか、否定的に考えはじめればなかなかできないのがストリートなのだ。しかし、それではなかなか広がりを持てない。始めたのは冬の時期だった。この時期、冷たい弦は指に刺さる。それが理由でストリートをやらないミュージシャンは多い。だが、そんなことより、歌いたい、伝えたいという気持ちが勝った。来る日も来る日も街角に立ち、歌った。
ストリートで歌ったからといって、ファンが劇的に増えるわけではない。都会に暮らす人は娯楽に飢えてはいない。誰もが素通りだ。だからストリートには意味がないというのにも一理ある。だが、そういうところで敢えて歌うことによって得られる副産物というものがあるのだ。それがガッツである。松尾の歌には、日に日にガッツが漲ってきた。昔から歌っていた歌なのだが、それが劇的に変化した。歌というのは単なる音だ。音域が広くて声量がある人は上手に歌える。だが、上手な歌が人を感動させるとは限らない。稚拙な歌が涙を誘うことだってある。松尾は、これまでの歌にガッツを加えた。それが感動の源なのではないかと、僕は思うのだ。
今回のアルバムは良い意味で力が抜けている。それまでの集大成だったファーストアルバム『ロックの人』、テーマを持ったセカンドアルバム『Life』、それに較べると今回のアルバムには際立った目的はない。こうして聴いてほしいという形はない。だが、心に響いてくる。それがこのアルバム『目には見えなくともここにあるもの』なのだ。インディーズで3枚アルバムをリリースするというのは並大抵のことではない。それを実現する中で、松尾一志は単に曲を積み重ねるのではなく、確実に成長を重ねてきたのである。その成果は、このアルバムの中にある。外見なんて関係なく、大事なものは常に自分の側にあるのだということを、彼は歌を通して語っているように思うのだ。もちろん、松尾一志はそんな大それたことをテーマに歌っているのではない。だが、そういうことがじんわりと滲み出てくるのが、今年42歳という年輪が生み出す味というものではないのだろうか。
とにかく、お勧めである。レーベルとしてつまらない音楽を3枚も出す理由なんてどこにもないではないか。
キラキラレコード、大島栄二
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| 曲目 |
01.
02.
03.
04.
05.
06.
07.
08.
09.
10.
11.
12.
13. |
人生は40歳から
君が好きだっただけなんだ
街の灯
君の瞳に映るもの
後悔なんてあたりまえ
ゴキブリの逆ギレ
Well
やわらかな微笑
Magic
again
だからサヨナラ
サヨナラが言えない
頑張りすぎないでね |
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