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Almond Eyes



アーチスト:野村正剛
品番:KRCL-88 税抜定価:2400円 発売日:2006/4/21
ジャンル:インストゥルメンタル

曲目
01.
02.
03.
04.
05.
06.
07.
Eurasian Trip(試聴)
頂礼山道
愛色の星
"Blues" in Asian Air(試聴)
WAR = 欲望と喪失
想い
Brain Machine Control

08.
09.
10.
11.
12.
13.
14.
Orion Stream
Almond Eyes
Last Dance
風雅の大地
彩街
Modern Time 24
Yellow Market(試聴)
解説
 大学時代から音楽活動を始め、マイルス・デイビスやコルトレーンからアジアの民族音楽まで幅広い音楽嗜好をベースに、プログレ・シンセ・ミュージックとギターインストをミックスしたアジアサウンドを確立した。キラキラレコードが提唱するEXPERIENCED MUSIC(経験豊かな音楽)を体現している、三重県在住、42歳の新人だ。
驚きのインストゥルメンタルサウンド
 打ち込み機材がとてつもなく進化した今、キラキラレコードにも沢山の打ち込みによって制作されたデモ音源が送られてくる。打ち込みというのは面白いもので、理想通りの完璧な音を作ることも、出来なくはない。だが、それに較べて不自由であるはずの生録音による音源よりも、ほとんどの場合、力がないのである。これを機械的とかなんとか言うことは容易い論評だ。機械の限界? たしかに現代の機械は進化したとはいえまだまだの部分も多い。ロボットがここ数年でものすごく進化したものの、じゃあ人間の代わりができるかというと、まだまだ全然である。そういう状況を例に挙げて音楽での打ち込みをダメだと否定していいのかというと、それも違うような気が、僕はずっとしていたのだ。

 そこに、この野村正剛の打ち込み音源が登場した。キラキラレコードとしては極めて異例なインスト音源のリリースである。野村正剛の音がデモとして最初に送られてきた時に既に何かを感じたりした。だがその時はまだ確信ではなく、リリースすべきかどうかはまだ自分でも半信半疑なところがあった。しかし昨年12月に名古屋出張の際に野村氏と初めて会い、彼の音楽遍歴や音楽に対する情熱などを聞かされ、心が少し傾いた。同時に彼が42歳というのも僕の心を押した一つの要因だった。自分がその年齢に達したからということではないのだが、この世代が新たに音楽を発信するということが、日本の文化を豊かにするのではという思いがあり、だから、彼のCDをリリースすることも大切なことだろうという、そういう気持ちも働いたのである。

 だが、そのミーティング以来彼がどれだけの勢力を傾けてこの音源制作に取り組んできたのかがハッキリと伝わるような、そんなマスター盤が届いた。それは、僕なんかの想像を遥かに超えたクオリティだったのである。

 打ち込み音源。それでインストを作る。その活動の大半は自己満足に過ぎない。そういう音源を一体何回聴いてきたのだろう。テクノロジーに載せられ、自分の個性と思い込んでいたものが実は新しいプラグインの効果に過ぎず、その他大勢の音源と大差なかったというものがほとんどなのである。なぜそうなるかというと、彼らには本当に表現したいものもなければ、実際の楽器に必死に取り組んだという経験もないからなのだ。テクノサウンドの第一人者でもある坂本龍一にしても超一流のピアノの技術があり、それ以上に表現したいものがあり、テクノロジーを手段の一つとして利用しているだけなのだ。決して飲み込まれたりはしない。だから多くの人を感動させられるのであって、そのことを、僕は多くの打込み(自称)アーチストの皆さんに伝えたいと、ずっと思っているのだが、そんな僕の思いを軽く乗り越えるかのような野村正剛の音源が到着し、それをリリースできる喜びを、僕は今、感じているのである。

 このような聴き方をすると彼に怒られそうなのだが、この音源は僕のi-Podで現在かなりのヘビーローテーションになっている。日課のウォーキングの際、カフェで読書をする時など、周囲の雑音から離れたい時に彼の音楽を聴くようにしている。それまではジャズばかり聴いていたシチュエーションで、野村正剛は僕にとって今完全にスターなのだ。もちろん、じっくり聴く余裕がある人には無心になって大きなスピーカーで聴いてもらいたい1枚であることは間違いないし、僕のように気忙しい日々を送っている人にも、携帯プレーヤーで持ち歩いてもらいたい楽曲の数々なのだ。

キラキラレコード、大島栄二