アーチスト
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買い方 |
| うちゅう |
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| アーチスト:天空快 |
| 品番:KRCL-93 |
税抜定価:2000円 |
発売日:2006/10/21 |
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| ジャンル:アコースティックロック |
| 曲目 |
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| 解説 |
「情景描写で心に迫る詩人、天空快」
〜〜アルバム『うちゅう』で見せた天才の進化〜〜
天空快の作る歌は、そのほとんどが情景描写である。直接的な感情表現をすることは滅多に無く、人を描いたとしても、その人が何をしたとか、何処にいるとか、そういった描写の積み重ねによって、世界を描いている。
短い言葉が要求される歌詞の世界に於いて、強いのはなんといっても感情表現だ。「好きです」や「愛してます」を連発すれば、否応なく即効性を持った歌詞になる。15秒程度で勝負をしなければいけなくなってしまった日本的音楽業界の中では、この即効性が何よりもカギになる。だから、深みも何もない、直ぐに消え去る「商品」ばかりが氾濫することになる。
でも、僕らは「作品」が欲しいのだ。
天空快に最初に出会ったのは三年前のこと。今もルックスがパッとしているわけではないが、当時はさらに輪をかけてパッとしない感じで、こんなのがアーチストとして認められるのだろうかと本気で思った。モー娘なんかが売れてる時代で、多くの人はどうしてもパッと見のきれいさとか可愛さを求めているだろうというムードが漂っていた。そんな中でこの天空快。どう考えてもイケメンではない。売れるわけがない。でも、彼の言葉の数々が心のどこかに残って消えなかったのだ。
例えば、『砂になったラクダ』という初期の一曲がある。鳥取砂丘の観光客相手のラクダと少年の友情を歌った曲である。少年とラクダは友達になり、再会を約束するのだが、待ちくたびれてラクダは砂丘の砂と化してしまう。そこに老人となった少年が現れラクダを探すのだが、砂になってしまっているので見つけることが出来ない。しかしラクダは少年がやってきたことに喜んで涙を流すと、そこにオアシスが出来上がる、とまあこんなストーリーだ。あらすじを語ってしまうとなんてことのないファンタジーである。要は、こういう非現実的なストーリーの中に、僕らが普遍的に感じることの出来る友情や愛情という感情を、天空快は織り交ぜていくのである。しかも短い言葉の中に、ストーリーと情景と、そして何より感情を込めてしまうものだから、一瞬にして心に染み込み、そして消えない。
一見してパッとしないルックスというのは、それは天空快の容姿だけのことではない。曲もそうなのかもしれないと、僕は思う。直接的な表現を使わないからパッと感じないだけで、後から気付いてみると心がそれを失おうとしないことに気がつく。それは、力だ。彼の言葉に力がある証明だ。だから彼のアルバムを出したいと思った。今回でその試みは三枚目となる。これまでの二枚が商業的成功を収めたかというと、必ずしもそうは言えないだろう。だが、それでも僕は、キラキラレコードに関わる多くのバンドやミュージシャンがいる中で、この天空快のアルバムを出したいと強く願うのだ。それは僕なりの誠意といっていいかもしれない。音楽に関わって生きさせてもらっている人間としての、ささやかながらの主張なのである。この音楽を多くの人に届けることが、音楽に正直に生きるということなのだと信じて止まない。
そして今回、天空快は三枚目のアルバムとなる『うちゅう』をリリースすることになった。ここに来るまでにいろいろなチャレンジをし、楽曲もさらに磨きをかけ、全国をライブツアーで駆け巡ったりするようになった。渋谷AXでのライブも体験した。そういう様々な経験がそうさせたのか、今回のアルバムにはこれまでとは違った方向性が芽を出したように思うのである。それは、ストレートに自分を歌い始めたということ。例えば『モーリスリップス』サビで「フォークなんて捨てちまえ!」とシャウトする。アコギを持って掻き鳴らしながら「25歳だ、働かなきゃねえ」と歌う。見ているものはハッとさせられる。目標がなかなか叶わずにいる人や、目標すら見つからずにいる人。ほとんどの人はそうだろう。夢が叶った人なんてそうはいないのだ。そんな中で、妥協や諦めが心をかすめる。そんな気持ちが、天空快の歌で呼び起こされる。まともな人ほど、胸を締め付けられるのだ。
では天空快は夢を諦めろといっているのか? それは違う。歌の中で彼は、フォークを捨ててしまったらダメになると、情景描写の中で力説するのだ。
僕はこの歌を聴いて、天空快は進化したと思った。情景描写は彼の本質であり、それを捨ててはいけない。だが中身の感情に到達するまでの道程を遠くさせておく必要なんてないのである。そこまでの導入として、ちょっとした近道がありさえすれば、彼の世界はもっと解りやすくなるし、多くの共感を呼ぶことになるはずで、その近道を、彼は自らの中に取り込むことに成功したのだと、僕はアルバム『うちゅう』1曲目の『モーリスリップス』を聴いて確信した。だからこそ、前作より約半年という短いサイクルでの三枚目リリースを決断したのである。
世の中には埋もれている才能が山ほどいる。だから、そこから抜け出すのは容易なことではない。しかし今回の天空快の進化があればその可能性もかなり高まるはずだし、なにより、多くの音楽ファンにとって、彼の音楽が届かないということは不幸以外の何ものでもないのだと、僕は確信しているのである。
キラキラレコード、大島栄二
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