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「世に出す価値を持った曲と彼ら」
〜長い名前ですが、許してやってください。そして覚えてやってください〜
チーペステン・チープリン・チッパーズ。なんて長い名前なんだ。舌を噛みそうな、いや、実際は何度か噛んだことがある。お客さんも確かにそうだろう。もしも噛んだならごめんなさい。僕自身はこれ以上噛むのがイヤなので勝手にCCCと呼んでいます。彼らはチッパーズと呼んで欲しいらしいですが。
まあこんな名前なので、プレゼンをしにくいのも事実だし、CD商品のパッケージに名前を載せるのもバランスが非常に難しかった。早い話が面倒くさいバンドなわけです。でも、面倒臭くてもやらなければいけないことはあるし、やりたいこともあるわけです。まあ、やりたいことなんて大半は面倒臭いことだし、面倒を嫌っているようでは、そもそもインディーズレーベルなんてモノを17年間もやり続けることは出来ません。だから、まあそれはいいとして、面倒臭いバンド名の彼らチッパーズをなぜに手掛けようとしたのか。別に名前だけではありません。仕事がハードで、ミーティングをする時間もなかなか取れないし、レコーディングも深夜だけ。仕事終わりのスタジオ入りだから、ちょっと意識も朦朧とした中で頑張る。それでどこまでいい音が創れるのか? 正直言って不安は沢山ありました。でも、やるしかないのです。いい環境を得るために、長期の休みを取れるよう今は働いて、働きがひと段落ついたらレコーディングを始めようというのでは、いつになるのか判らない。だとすれば、今はガムシャラに進んでいくしかないのです。
なぜこんなことをいうのか? 商品解説には相応しくないコメントじゃないのか? 確かにそうでしょう。でも、彼らとの出会いがちょっと不思議だったので、やはりそういう逆境話から始める以外に道はないのです。
彼らは、何も自分たちでキラキラにアプローチしてきたわけではありません。ある時キラキラに背広姿の男がやってきて、なんだまたコピー機のセールスかと思い、そうそうに断ろうとしたら、「デモテープを持ってきたんですけれど、ダメですか」という。いや、デモなら話は別ですよ。喜んで話を伺いましょう、曲を聴きましょうということで、受け取った。何でも彼はメンバーではなく、メンバーの親友として、デモを持って行きたいと強く主張したらしいのです。なんでも、彼らはスゴクいい歌を歌うのだが、なにしろ内向的なので売り込みとかをしようとしない。で、持ってきた友人がキラキラ界隈を仕事でよく歩いていて、デモ募集という看板を見ていたので、「じゃあ俺が持っていくよ」ということになり、持ってきたのだという。
それで、聴かせてもらった曲がスゴク良かった。このアルバムにも収録されている「ひまわり」だったのだが、とてもノスタルジックな気分にさせる曲。僕はこういう曲を、人を幸せにさせる力を持った曲を世の中に出していくべきだと、直感で思ったのです。もちろんその後にライブを見たり、いろいろなプロセスを経て審査(ちょっとおこがましい表現ですね)をしたわけですが、結果的に、最初の直感を補足するようなことでしかありませんでした。
ただ、最初にも言ったように、彼らを取り巻く状況というものは、決して彼らに純粋に音楽だけをやらせるような、そんな安易なものではありませんでした。だがそれはどんなバンドも通過してきていることですから、それはもう、頑張ってもらうしかありません。頑張ってもらった結果、ようやく、リリースに間に合うギリギリのスケジュールで、なんとか全作業も完了したというわけだったのです。
こういう苦労を、まあどのバンドとのやりとりでもやるわけですが、それをバンド単体では乗り越えられない場合というのが往々にしてあるのです。今回もっとも大きな役割を担ったのは、言うまでもなくデモをキラキラに届けてくれた友人でしょう。彼なくしてはこのアルバムはありません。そして僕の存在も、多少なりとも影響を与えたということであれば、それはそれで非常にやりがいのあることだったなと思ったりするわけです。なぜなら、そういう思いをしてでもこれは世に出す価値のある曲であり、アーチストだからです。
キラキラレコード、大島栄二
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