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アーチスト:BURNING BLOOD's
品番:KRCL-114 税抜定価:2400円 発売日:2008/1/21
ジャンル:Hard Rock

曲目
01.
02.
03.
04.

05.
WAKE UP
Time paradox
JET
同じ空を見ている
R&R No.1

06.
07.
08.
09.
10.

Tactics
I will go freely!
ONESELF
CONVICTION
風神

解説

「燃えたぎる血〜その真の想い」
  〜ハードな中に秘めた優しさと暖かさ〜

 BURNING BLOOD'sのリーダーは、いろいろな意味でロッカーだ。ロックとは一体何か。そういうことから話しはじめるとどれだけ語っても結論など出ないのだろうが、だから敢えて誤解を恐れずに言うとすれば、それは常識への抵抗だと思う。これまでの前例がこうだからとか、こっちの方がオイシイからだとか、そんなことで自分の行動が決定されない。もちろん、ただ単に抵抗すれば良いというのでもない。良いものは良いと素直に認め、良くないと思えば全世界を敵に回してでも抵抗する。その判断の基準になるのが「美学」というものである。どれが美しいのか。それを明確に持って行動していること。その精神。それがロックなのだと僕は思うのである。
 そう考えた時に、彼らはロッカーなんだなと思ってしまうのである。彼らはある地方都市で活動している。なんでも「地元出身」とひとくくりにして地元は応援してくれるものらしい。だから普通は地元の友達バンドたちは殊更に必要以上に「○○(地方都市の名前)出身」とCDにデカデカと書いてしまっているし、地元バンドだけで固まる傾向にあるという。それが、なにかつまらないし、自分達の採るべき道ではないと考えているのである。だから、僕も彼らの出身地をここで打ち出さないように気をつけているのだが、それでもその都市名を出した方が得だと思っている。だが、彼らはそれを違うと主張するのだ。その地方都市だけをターゲットに活動するのは、最初はそれでもイイかもしれないけれど、今後自分たちはもっともっと大きなバンドになっていきたいと思っていて、だから今地元だけにこだわるということから一旦離れ、ライブも東京はじめ全国で展開したいというのである。それが自分たちを縛り、次の一歩を踏み出すのを妨げたとしても、そういう活動によって自分たちを高めるようにしていきたいのだという。意地だなあ、男だなあ、ロックだなあと思ってしまうのである。
 音楽面でもそうだ。ハードロックというジャンルは一種の様式美追求の世界である。ある名プレイヤーと同じ弾き方が出来るかどうかを 争っているような世界でもある。しかし、それでは新しいものなど生まれないのだ。思考を停めて様式美、伝統芸能の世界にひたるという楽しみもあるだろう。だが、それはミュージシャン自身の楽しみにすぎない。音楽の場合結果が残るのである。様式美の本家とも呼べる音源があって、それでなぜそのフォロワーの真似ッコCDを聴く必要があろうか。
 僕は思うのだが、音楽は聴く人がいて初めて成立する表現である。特にポピュラー音楽(ジャンルのことではなくて)は多くの人が支持して初めてビジネスが成立するし、次の活動も可能になってくる。だとすれば、やはり聴く人の満足をどれだけ満たすことが出来るかということを真剣に考える必要がミュージシャンにはあるのである。そう考えた時、自分が楽しいとか、自分がオイシイとか、自分が楽だからというようなことに自らの価値観を求めていったらオシマイである。もちろんそれは客に媚びるというのとはまったく違うわけだが、少なくとも様式美の伝承者に終わるのではまったく意味がない。
 その点、このBURNING BLOOD'sは自分を追求する姿勢が強いせいか、様式美に捕われることなく自分たちのサウンドを実現させている。確かにハードロックなのだが、本当にこれをハードと呼んでイイのかという疑問もちょっとだけある。具体的にどうこうという指摘は難しいのだが、彼らの音楽には優しさと暖かさがあるのだ。それは彼らの人間性とこれまでの経験からくるものだろう。昨年晩秋に彼らの地元まで行き、その時に既に雪が降っていてとても寒かったのを記憶しているのだが、彼らと話を始めるとすごくパワーが出てきた。まあ店内に入ったから温度的に暖かくなったということはあるものの、それだけではなく、彼らの決して焦らず、じっくりとだが着実に自分たちの思いの丈を述べていく感じ。そういうものの中に、ああ、こいつらは胸の奥にしっかりしたものを持っているんだなあという感触を持ったのである。
 地方都市で年齢を重ねて、いろいろと取り組み、チャレンジをしてきてなお、そうそうチャンスに恵まれるものではない。東京で多くのチャンスに囲まれながらもそこにチャンスがあるということにさえ気付かず、不平ばかりを漏らしているバンドマンたちと、結果としての現実はさほど変わらないのかもしれない。だが、そこにはうまく行かないことへの不平不満ではなく、常に前を向く希望と情熱がある。完成したサウンドを聴いて、必要以上の暖かみを感じたのは僕だけなのだろうか? 美しさとは伝統の様式にあるのではない。真剣にサウンドに向き合った姿勢の結果にあるのだと再認識した瞬間なのであった。


キラキラレコード、大島栄二