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アーチスト:DAIZO
品番:KRCL-123 税抜定価:2400円 発売日:2008.9.21
ジャンル:ピアノポップ

曲目
01.
02.
03.
04.
05.


誓い
田舎道
僕は無名のミュージシャン
あの日の君と夏祭り

06.
07.
08.
09.
10.

釣りに行こう
通学路
I Love Music
茜色の空
オヤジノセナカ

   
解説

「山形に輝くミュージシャン」
  〜ピアノと声と、シンプルなアート〜

 音楽は、そんなに難しいことではない。音楽業界にいるとどうしてもその背景とか、戦略とか、資本力とか、そういったことに目を奪われがちである。それが全てだという人も少なく無い。僕はそういう音楽業界人ではないと思いたいが、だがどうしてもそういった部分に意識が向くのも事実である。
 しかし、音楽とはそんなものではない。第一に考えられるべきはその音楽の良さである。どんなに戦略的に予算的に恵まれたものであっても、結局音楽そのものが良くなければ売れないのだ。そのことをちゃんと理解した上で新人発掘に取り組んでいるのだが、どうしてもバンドの状況とか、戦略に対する理解度なんていうところを大きく評価したりしてしまう自分がいるのも事実なのである。が、時折そういう自分の目を覚まさせてくれる音楽に出会うことがある。そういう音楽は、すごく新鮮なのだ。DAIZOの送ってきたデモは今としては珍しいMDに収録されていた。MDの音源は処理がしにくい。たくさんある音源の中で、特に気になるものはiPodに入れて通勤途中などに何度も聴いたりするのだが、CD-Rならまだしも、MDだとiPodに取り入れるのは面倒なのだ。それが理由で取込みを止めるケースもある。だが、DAIZOのデモはそういう面倒を超えて、是非ともiPodに入れておきたいと思った、そういう衝動を起こさせるようなクオリティだったのだ。
 クオリティといっても、録音の質は大したことは無かった。ライブの一発録りにすぎない。でも、そういう音源が実力を示すことも多いのだ。レコーディング技術は近年急激に進化し、何度もやり直して、それでもダメなら音程も音量も加工することができる。そうして良いものができること自体は悪く無いのだが、それによって発掘の耳は欺かれる。本当の力が知りたいと思ってもそれが叶わなくなったりする。でも、ライブならそれは出来ない。その場での一発勝負がそこで展開されるだけなのである。ピアノだけで奏でられる歌。それはとてもシンプルで、心を打つクオリティだったのだ。
 彼の歌を語る上で忘れてはならないのは、声の透明さと、歌世界の親近感である。その声は実に伸びやかで艶やかだ。高音がのびることが良い声の重要ポイントであることが多く、だからボイストレーニングでもそこを伸ばすようにするレッスンが多い。しかし、素材のレベルがどうなのかということによってほとんどが決まるのだ。レッスンによってのびるようになった声というのはどこか人工的である。そういう声が氾濫している中、DAIZOの声は小川のせせらぎのようだ。これを聴くだけで価値がある。また、歌世界の親近感という点だが、彼の代表曲でもある「田舎道」などで歌われている情景は、それは田舎という状況でなくとも都会の中にもある、僕らの心の中の回帰すべき場所のようなものであると思う。だから誰もが純粋に傾倒することができるようなものになっている。なぜそうなのかというと、彼は実にシンプルに歌を作っているからだと思う。技巧的な部分はほとんど見ることが出来ない。それは別の見方でいえば朴訥で稚拙といってもいいのかもしれない。だがそういう心のままに出てくる表現だからこそ、彼の歌は聴く者の心の奥にもいとも容易く入り込んでしまうのだろう。
 書いていると言葉は尽きないのだが、結局は同じことを何度も繰り返してしまうだけのような気がする。つまりは、DAIZOの歌はいいのだ。
 これをどうすれば多くの人に聴いてもらえるのか。そこが僕の担当する仕事の部分なのだろう。良いものは広まる。そんな単純な方程式が通用するほど甘い世界ではないのも事実ではある。だが、そんな単純さをもう一度信じてみようとさえ思ってみたくなる不思議な力がDAIZOの音楽にはあるし、まだまだ無名ではあっても、DAIZOの歌を聴いてみることというのは、あなたにとっても貴重で意味のある偶然の出来事だと、自信を持って勧めたいのだ。


キラキラレコード、大島栄二