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アーチスト:MOGSTARR
品番:KRCL-124 税抜定価:2400円 発売日:2008.10.21
ジャンル:ロック

曲目
01.
02.
03.
04.
05.
06.

MOGSTARR
夜空に
Expo’70 + I
A Nap Song (lo-fi)
Missing Farewells
人が消えて

07.
08.
09.
10.
11.
12.

天気予報
While Waiting
The Birdman Song
Super Friends
前を向いて歩こうの歌
Delele-len

   
解説

「遅れてきたロック」
  〜世代再生と再評価〜

 音楽が若者文化だと誰が決めたのだろうか。2008年で44歳の私は、私的な恨みなどではなく、オッサンもロックをやってイイじゃないかと心から思う。だいたい、若いやつの説教臭い歌詞になんかイチイチうなずいたりは出来ないのだ。それで、オッサンのロックにも結構力を入れてきた。それもようやく実を結び、2008年は後半だけで4組のオッサンバンドたちの音源をリリースするに至ることになった。このMOGSTARRはその取り組みの第3弾にあたる。
 
 ここに至るまでには大変な苦労があったのだ。まず、オッサンでオリジナルを展開しているバンドがそうそういない。いたとしても、長年の売れないミュージシャン生活に疲れ、斜に構えるどころか完全に世に背を向けている。なまじ年を重ねているからこだわりとプライドは若者の比ではない。そういうバンドに、「オッサンの音楽」というコンセプトに込めた僕の思いを理解してもらうのはなかなか簡単ではない。
 そういう中、いくつもの失敗を重ねながらも、このコンセプトの理解を広め、協力を募り、まずは1組から。そして2組3組とリリースしていく中、ようやく半年で4組というボリューム感を得るに至ったのである。
 普通なら、ここで高望みをしてはいけない。いきなり売れそうなラインナップになると思ってはいけない。まずは前向きに動けるバンドが数そろうだけでも御の字だと思う。事実、僕は別に高望みをしているわけではない。
 だが、MOGSTARRは僕のそんなある種の弱気を吹き飛ばすかのようなクオリティを発揮している。端的にいうと、「カッコイイ」のだ。
 具体的には、洋楽サウンド。洋楽至上主義などではないけれど、このカッコよさは洋楽テイストと言う以外に適切な言葉が見つからない。

 リーダーのmoglahは現在37歳なのだが、30歳の頃に会社を辞め、日本を飛び出しアメリカで生活。人生修行をするかたわら音楽活動も淡々と行ない、現地のレーベルからビートルズのカバーアルバムをリリースするという経験をする。これがスマッシュヒットとなり、現地でミュージシャンを続けるという選択肢もあったものの、やはりビートルズのカバーで売れたんだという冷静な判断もあり、家族の元へ帰国。
 しかし音楽を完全に捨てるわけにもいかず、かといって年齢的にも新しいメンバーを探すのも大変で、だったら近くで心も通じる人たちで結成しようと、moglahはなんと家族に声をかけたのだった。嫁と、妹と、なんと母親。その問いかけに、普段からメタリカのライブに飛んでいくような家族たちも即応。かくしてMOGSTARRは結成されたのだった。

 ファミリーでロック。なんか肩の力が抜けている感じで、とてもイイじゃないか。mixiに上がっていたショートPVもほのぼのとした手作り感で、かなりイケている。ああ、こんな感じの音楽との関わりが本当の在り方なのではないかと感じた。思えば、僕がオッサンのロックをプッシュしたいと思っていた背景には、若い世代とオッサン世代との対決があったように思う。だがmoglahの提示する音楽にはそんな無意味なりきみなどまったくなかった。そう、それでいいのだ。音楽とは聴く者の肩書などには関係なく、楽しめればよかったのだ。そのことに気がつかされた思いがした。
 もちろん、若者にしか向けていない音楽業界の在り様に対するアンチテーゼとしてスタートしたことには意味があった。だが、そのまま進んでいたら、結局は世代間対立という点では僕のやっていることもあまり変わらなかったのだろうと反省しきりである。僕らが目指すべきは若者への憎悪ではなく、スポットの当らなかった大人の音楽を正当に評価し、認めることであって、それ以上でも以下でもなかったのだ。
 
 さて、話を元に戻すが、MOGSTARR。ただ単に好きな音楽を好きな感じで続けてきただけのバンドである。そこで積み上げられた演奏能力とセンスは、もう単純にカッコいいという言葉で表現したいし、されるべき価値が完全にある。そんなバンドこそ、多くの耳目を集める力を持っているのだ。彼らと出会えたことは僕にとっても幸運だったし、偶然にもこれを聴く人たちにとっても、新たな価値観に出会えるという至福になるだろうと確信する。その良さは必然的に広がって、やがて新たな時代のカリスマになっていくだろう、だといいな。そして彼らが多くの同世代の表現者たちにスポットを当てる牽引者となり、結果的にキラキラが儲かると嬉しいのだ。いや、これは単なる夢想なんかではなく、かなりの確率で実現する、近い未来の予言なのだ。


キラキラレコード、大島栄二